OBからのメッセージ No.42
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星田 芳宏卒業年度:1979年(S54年)
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星田 芳宏卒業年度:1979年(S54年)
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表題
- 『夏休み』の宿題
2025/9/12
今年(’25年)43年ほど勤めた会社を退職した。7月20日のことだ。愛媛を離れて既に約47年経っていた。その後各種手続きや飲み会などで何かとバタバタし、気が付いたらあっという間にひと月が過ぎていた。そして、やれやれという間もなく帰省した。混雑するお盆を避けての父の3回忌だった。
1 年ぶりに方言を聞いた。故郷を50年近く離れた今、方言を話すことはほぼなくなったが、やはり田舎に帰るとすぐに出る。四国の方言は、龍馬の影響だろうか、土佐弁がよく知られているが、伊予弁はあまり知られていないと思う。しかしその特徴のあるやわらかいイントネーションを聞くと、ふるさとの空気にどっぷりつかる、あるいは包まれる感じにさせてくれる。皆さんにもそういう経験があるのではないだろうか、
生まれてからずっと東予に住んでいた父は、筋金入りの方言を話した。我々兄弟の嫁さんは、一人が松山、もう一人が東京出身だ。ところが同じ愛媛の出身でも解説がないと理解できない内容が多く、帰省で皆が集った夕食のたびに盛り上がったことを思い出す。今回もそういう昔ばなしで盛り上がった。
最近はTVの影響もあってか、地元でも若い人は方言を余り使わない。実際私の甥も姪もそうだ。その子どもは(といっても、今はまだ1歳だが)、もっと使わなくなるだろう。時代の流れだ。出ていった人が勝手なことを言うな、ということかもしれないが、方言が減ってくるのはやはり寂しい。
ところで、愛媛の方言で思い出すのは、伊丹十三の一六タルトのCMだ。高専4年の頃だったか、当時は自宅から通学していたので、昼食は『ちどり』で食べていた。たっぷり一味とウスターソースをかけた『やきうどん大 卵入り』を食べた後は、友達の寮部屋で森永のチョコアイスを食べながら、午後の授業開始までもったりするのがルーティンだった。その時、よくラジオから流れていたのがそのCMだ。
『もんたかや。・・・ほて、しぇーしぇきはどうだったんぞ。どげかや。ほらお前がのぶそうなけんよ。・・・残念なねや、残念からげるぞよ。・・・』こんな感じだ。松山弁だと思うが、覚えている方もいらっしゃるだろう。
愛媛でも私の生まれた東予地方と松山では方言も少し違うが、内容はわかるし面白かった。ただ、当時四国中央市では南海放送TVが入らず、ラジオからしか聞けなかったので、これが伊丹さんのCMとは知らなかった。知ったのはずっと後、彼が亡くなった頃のことだ。功績の一つとしてとして紹介されたのかな。私は知らなかったが、別バージョンのCMもあったようだ。
この10月末に久々に高専の同窓会がある。松山で開催されるので『伊丹十三記念館』にも寄ろうと思う。そして一六タルトを買って帰ろう、そんなことを考えながら、1週間ほど四国に滞在し帰宅した。(『伊丹十三 一六タルトcm』でググれば出ます)
8月下旬、何気なくテレビを見ていたら『月曜から夜更かし』という番組で、『「を」』の発音問題』というのをやっていた。共通語では『「を」は「お」と同じ発音(O)』で、『「を」→「Wo(うお)」と発音するのは愛媛の方言』だ、と言っている。
何を馬鹿なことを、「を」は当然全国的に「Wo」だろ、と私は思った。愛媛県のどこだろう、番組で街頭インタビューされた人がすべて、そう発音していた。TVでは学校でも『「Wo」と教えている』と解説している。『当り前じゃ、ほんなん保育園で教えてくれたんじゃけん』だ。先生の名前は忘れたけど、ひらがなを書いた積木を使って説明してくれた。それはしっかり覚えている。
ところが愛媛県以外でのインタビューでは「を」は「O」と発音されていた。結局『「を」と「お」は同じく「O」と発音するのが残念ながら正解らしい。『今まで知らずに生きてきたが、知ってびっくり』、ということがこれまでも何回かあったが、今回が最近で一番驚いたことだ。
参考にTVの内容を下記にまとめた(愛媛新聞山根or愛媛大学佐藤栄作教授でググると、新聞記事等が出ます)。
1)全国的には「を」は「お」と同じく「O」と発音するが、愛媛県では「を」は「Wo」と発音する。昔から学校でもそう教えている。
2)これを以前調査したのが愛媛新聞社の山根健一さんという方。その話の中で愛媛大学の佐藤教授の調査結果が紹介されていた。(下記グラフ 参照 )

― 番組情報をもとに筆者がグラフ化したもの。母集団数は不明 ―
愛媛大の学生を出身県別に調査し、「を」をどう発音するか調べた結果、
✓ 愛媛県出身者では「Wo」もしくはそれに近い発音をする人は約78%
✓ 一方、広島県出身者で13%、香川県出身者で10%
✓ 愛媛出身者を含めた全体では約57%
ということになった。「Wo」と発音するのは愛媛県出身者特有のことであり、それゆえ方言となった次第だ(正確には愛媛だけでなく他県でも例はあるそうだ)。
3)実際に愛媛県出身の歌手が「を」をWoと歌っている例として2例が挙げられている。
✓ Superfly のボーカル、越智志保さん(今治出身)が『愛をこめて花束を』の曲中、「愛をこめて花束Wo」と歌っている
✓ 秋川雅史(西城出身)さんが『千の風にのって』の曲中、「あの大きな空Wo」と歌っている
そういわれても、「を」を「お」と発音するのはやはり違和感がある。上記の歌も「Wo」のほうがしっくりくるし深みもある。私はこれからも絶対「Wo」と発音するだろう。みなさんはどう発音していますか?
さて、退職後すでに2か月を迎えようとしている。勤めていたころは、退職後に自分なりにやりたいことを、なんとなくだが考えていた。ただ実際に退職してみると、その時期が世間の夏休みと重なったためか、毎日がずっと夏休みの感覚だった。そして学生時代と同じで、何もしない間に、本当にあっという間に時間が経ってしまった。
今は夏休みではない。当り前だ。それはそう長くは続かないし、終わってもまた学校や会社に行くことはない。行くのは別の世界だ。だからこそ『夏休み』の宿題は後回しにしてはいけないのだ。
ということで、何からやろう、まずは部屋の掃除からだな、などと考えている今日この頃です。